──命なき餌なれば、己(おの)が死生此岸(しがん)の外に置くべし。
彼は、幻覚に現れる死神に己が命を託すという内なる儀式により、生の拘束、死の恐怖から自分を解き放つことが出来た。そして生死を超えた高みに自分を置いた信長は、人の生き方の透明度に敏感になり、「潔さ」を欠く人間を嫌う様になった。
安土城本丸の対面の間には「盆山(ぼんさん)」と呼ばれる石が置かれ、彼の誕生日に拝礼させている。この「盆山」こそが、死神に託した彼の命を具現化している。
初陣の後、信長は城主の「機能」を維持するため、信頼できる自前の兵力を養成し始める。世に言う茶筅髷(ちゃせんまげ)姿で、悪童達を引き連れ、領内を駆け回る時期である。
後の丹羽長秀、佐々成政(さっさなりまさ)、蜂屋頼隆(はちやよりたか)、前田利家、池田恒興達がこの頃信長に拾われ、無私無欲の忠誠心を持った彼等は織田軍団の中核に成長していく。
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