それは親父がアパートに帰ってからも続いていた。それが一か月以上続くと、なんと麻衣からクレームのメールが来た。いつもはママに出すメールが今回は自分に来た。「家にいたくないから、今日は友達の家でご飯を食べる。帰らないかもしれない。いくら二人でいがみ合っても、私を巻き込むのはひどい。何とかしてほしい」
「ママとけんかをしているわけではない。ただ、おじいちゃんたちとのことは簡単には解決できないから時間がほしい。その気持ちをわかってくれないかな」と返信する。
「だからって家の居心地が悪くなるのは納得いかない。そうやって家に居場所がなくなって、外に行きたくなる子の気持ちが少しわかったような気がする。トーヨコに集まる子供もきっかけはこんな風なんじゃないかな。パパにとっては小さなことで、私やママには関係ないことだと思っているかもしれないけど、パパだけの問題じゃないし、パパとおじいちゃんだけの問題でもないんだよ」
「どういうことだ」
「わからないの? パパの態度の問題だよ。ママや私のことを大切に思っているかってことなのに。
おじいちゃんとパパのことはすぐには解決できないことはよくわかっているよ。でも今のパパはうざいとしか言えない」
これは麻衣に脅されているということだろうか。いろいろな問題があっても、生活できるし、見ないようにすればやり通すこともできる。僕はそうやってきたことを今まで特に疑問に思わなかった。それで自分と美幸との関係が悪くならないんだから、それでいいとさえ思ってきた。
でも美幸は一方的に、我慢してくれていると感じることも沢山あった。それでもあえて口に出さないのは、僕の方が正しいと思ってくれていると勝手に思っていたからかもしれない。だからこそ麻衣は美幸が今まで無理をしてきたことを僕の責任だと思い、僕に解決するように迫っている。麻衣には関係ないことであの子に不愉快な思いをさせてしまった。
少し美幸に甘えすぎてきたのかもしれない。これは大問題だ。何とかしなければ今まで築いてきたものが崩れてしまう危険性がある、と。
次回更新は10月25日(日)、7時の予定です。
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