そんな時、タイムリーに学校で農政を学ぶ授業があった。あまり社会科は得意でなかったので、内申点を上げるためテストさえできればいいと思い、きちんと先生の話を聞いていなかった。テスト前に検討していた課題は「農家が減って耕作放棄地が増えていることについて対応策を考える」というものだった。農家が減っている理由をこっそり友達に聞こうと思い、小声で隣の子に聞いてみた。
「この間授業で習ったはずなのに、テストが終わると何も覚えていないんだね」とちょっと呆れられた。先生が他の人に質問しても誰も答えられず、先生も唖然としていた。それでも気を取り直して説明してくれた。
日本の農業の課題は「担い手不足・耕作放棄地の増加・収益の低さと経営の不安定性・国際競争の激化」などが挙げられている。とても難しい問題だけど、パパが農業を継がなかったことと直結している。そしてこの問題は解決するどころか、より深刻になっているようだ。
日本は長年、農業国として自分の土地を大事に守ってきた人たちに支えられてきたが、働く人の数が社会の変化により変わっていくことで農業だけでなく、漁業・林業などで生活する人が少なくなっているそうだ。
簡単に言えば、農業・漁業・林業だけで生活ができなくなっている。快適な生活をしたいと考えれば、ある程度物を買える現金が一年を通して手に入ることが前提となってくる。一年間平均して収入が得られるようにならないと、第一次産業で働く人たちが生活できないため減っていくだろう。担い手不足になるのは当たり前なのかもしれない。
昔は特に寒い地域では、収入源を補うため「出稼ぎ」に出ていたという歴史もあるらしい。自分の住んでいるところを離れ、別の仕事をしなければ生活できなかったと考えると単に「大変だね」と言うのは過酷すぎる気がした。
慣れない仕事を毎年しなければならない人たちの苦労は計り知れない。どんなに必要でも第一次産業で働くことはあまりに大変だから、担い手が少なくなってしまうのだろう。考えてみれば誰かが自分たちが食べている米や野菜を作り、家畜を育ててくれているので食生活が維持されている。
おじいちゃんやパパを含めて、それを担っている人たちの抱えている問題がこんなに大きくて深刻だったことなど今まで気にもしなかった。知識として覚えておくというより、私たちが生きていくのに直結する課題であるとわかったことはよかった。でも複雑な気持ちが残った。
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