高井良と詩は駅を目指して歩いた。

「藤井は本当に山本を殺したんでしょうか?」

口元に手をやりながら高井良が言った。

「さあ」

「藤井は金はすぐに返してもらったと言ってました。もしそうなら殺人の動機にはならないはずです」

「そうね。でも、私達に嘘ついたのかも」

「嘘をついているようには見えなかったんですけどね……」

「えっ、それって、東大の心理学研究室で教わったの? 表情や仕草で嘘ついてるかどうか分かるってやつ」

「まあ、習いましたけど僕はできません」

「なんだ」

「でも直感というか、悪事は働いたことはあるんだろうけど、嘘つきには見えなかったんですよね。それに引き換え、辻さんは嘘をついている気がします」

 

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