「……大丈夫?」

「え、ああ」

麻田は気をとり直し、

「お医者さんでも魂を信じていたんですか」

「いい質問ね。実はね、医者のときは死んだら終わりと思ってたの。でもね、魂はあった。見ちゃったのね」

「見た……」

麻田のひと言で場が静まった。大将も手を止めて赤道を見た。

「うん。しかもほぼ毎晩」

「誰の魂ですか」

「だんな」

「死んじゃったの」由那が聞いた。

「うん」

「じゃあ、見たのって、お化け……」

「ふつうに言うお化けではないわね。夢に出てきたの」

「でもそれって、単にそういう夢ということはないんですか」麻田が聞いた。

「最初は私もそう思ったわ。でもね、『テレビラックの裏に指輪が落ちてるよ』って言われて、見たら本当にあった。むかし、だんながくれたルビーの。なくして、言えなかったやつ」

「へぇー」大将が腕組みして唸った。

「もちろん、それにしたって、偶然の可能性がないわけではないわ。私がテレビラックあたりに置いていた記憶があっただけかも知れないの。だから、話半分で聞いてね」

赤道は笑い、続けた。

次回更新は9月22日(火)、11時の予定です。

 

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