親はわが子を守ろうとします。苦しんでいるわが子の姿を見たとき、何とか助けようとするのが親心というものでしょう。それは当然であり、当たり前のことかもしれません。しかし、困難にぶつかっている子供を守ろうとして親が手を貸し、自分で乗り越えるためのせっかくのチャンスを奪ってしまうこともあるような気がします。
「どういう大人になってほしいのか」「どんな力をつけて、どんな人生を歩んでほしいか」という大切な目的を忘れてしまいがちなのです。
私も、学校を批判する保護者の皆さんと同じ意識でした。「批判を受けたくない」という自分を守ろうとする思いや、「トラブルのない安全で平穏な学校にしたい」というような、学校を守らなければならないという意識が強かったのです。私は、これまで描いていた「どんな生徒を育てたいのか」という教育の目的を見失っていたのです。
不平不満や批判、また自らを守ろうとするマイナス感情からは何も生まれてきません。お互いが発する負と負の感情からは何も解決しません。私が苦しかった要因は、すべて自分が蒔いた種だったのです。
第二章 自信とは何だろう
1 脳科学から学んだこと
単身赴任を終えてなお数年間、ふとした瞬間に、苦しかったことがフラッシュバックしました。思い出したくないことが甦ってきて、苦しくなるのです。
若い頃には自信に満ち溢れ、怖いもの知らずであった私でしたが、教頭として赴任したことをきっかけに自信を失い、電話にもビクビクするような弱い自分になってしまいました。
「私は、なぜ心が弱くなってしまったのだろう」「人はなぜ悩み、不安を抱くのだろう」「なぜ私は周りの目を気にし、認めてもらいたいと感じるのだろう」といった疑問を抱きながら、弱い自分を責めていました。
その答えを模索しながら、自己啓発書、ビジネス書、仏教、潜在意識、心理学などの本をたくさん読みました。この過程において、脳科学の本と出会いました。脳神経科学者である毛内拡さんは、次のように述べています。