「わがユートピリッツの守り神、ペガサスの像よ!

これまでも私はお前に、たくさんの迷いごとや尋ねたいことを聞いてきた。だが、今回のことでは、本当に困り果てていた。しかし、私は、お前の声を聞いて決断した。

敵の独裁国の侵入には、断固として立ち向かうことにする!

皇太子アルバートの率いる軍隊も、ユートピリッツの国民の命や生活を守るために訓練をしてきた。独裁国と戦っている連合国の国々も力を貸してくれるであろう。私も先頭に立ち、敵の独裁国の侵入からは、この命に代えても国を守ることを決断した」

すると、王さまの頭の中に、劇場で一人朗読しているかのような、はっきりゆったりとした「あの声」が、また聞こえてきました。

「ユートピリッツの王、エドワードよ!

お前の思うがままの道に進め

私の『御者(ぎょしゃ)』は既に天から地上に降りておる希望を手にした時

この私はここから消えるやもしれぬ

何ものにも代え難きものを残して

ユートピリッツの王よ! その道に祝福あれ!」

 

王さまの頭の中で、ペガサス像からの声が遠のくと、その像の小さな瞳のルビー色に赤く輝く光もスーっと消えていきました。「その道に祝福あれ!」とのペガサス像の声は、王さまの心の隅にあった少しばかりの不安を払いのけました。

しかし、「謎」も残りました。

『その道に祝福あれ!とは、幾ばくかの不安を払いのけ、決断を確固たるものにしてくれた。しかし、わからぬことがある。

既に天から地上に降りているという「御者」とは、いったい何者なのか?

ペガサス像が消えてしまうというが、いったい何を残していくのだろうか?

いずれ、わかる時がくるまで、この謎は心にしっかりと留めておこう』

王さまは、こう心に言い聞かせるのでした。