私は10年以上前から着ているセーターを持っています。

今もこのセーターを着ながら文章を考えているのですが、一番着心地のよい冬の相棒です。これまで何度も手洗いしたり、クリーニングへ出したりと手をかけてきました。

今は洋服も値段があってないようなものも増え、手洗いしたり、クリーニングへ出す時間を使うくらいなら、安い品を購入し、次の年にまた新しい品に買い替えるという方もいらっしゃいます。

私も普段履く靴下などはシーズンごとに買い替えています。しかし、手をかけながら長く着ている相棒は、少し縮んだ感じすら愛着も湧き、今まで以上に私の心と身体を温めてくれています。

こうして手をかけ、大切につき合っていくことは、忙しい日々の生活の中ではつい後回しにしてしまうこともあります。

しかしそうして積み重ねてきたものの価値を感じてみると、それはかけがえのない大切な存在になっているのです。

ですから私は「時間を有効に使うことを優先したい気持ち」を持つと同時に「有効に使うことに逆らうような気持ち」ももつのです。

これが最近悶々としていた理由かもしれません。

自分に問いかけながら、自分と向き合い、こうして文章を書いているこの時間を「減るものではなく積み上げられていくもの」として捉えてみると、そこには自分の世界を少しずつ広げていける大きな価値を感じます。

時間をかけるほどに、自分の世界を感じる喜びはかけがえのないものだと、ゆっくり時間を味わっていたのでした。

ちなみに私にとってツイッターの140文字は、思考の「種まき」のようなもの。種まきをした後、さらにそこからなぜそう思ったか、ここからどのように繋がっていくだろう……と深く掘り下げながら育てている感じです。

「すぐに手に入らないものを積み重ねていく時間」を、これからも大切にしていこうと思います。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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