【前回の記事を読む】子犬を貰ってきてから先住犬が豹変。子犬の耳を噛み、吠え続け…だが4日目、なぜかピタッといじめなくなった。弟分のように世話を焼き…

第二走者 醸 (ミニチュア・ダックスフント) 平成九年~平成二十二年

愛醸物語

ピッポも醸も、去勢せずに飼っていた。

我が家に飼われる犬はオスと決まっていて、夫の方針で、「去勢はしない」ということになっていた。

どうやら夫は自分の身に置き換えて、そんな酷いことはしないでおこう、と思ったらしい。

我が家で猫を飼う場合は、メスと決めていた。オス猫は発情期に臭い付けをところかまわずするので、家の中が臭くなるからだった。メス猫の場合は、一、二度子猫を出産したあとに、避妊手術をすることに決めていた。

その頃は、ビーグルのときに世話になった獣医さんではなく、近隣の年配の先生に診てもらっていた。

犬の肛門腺の図が載った本を見せられ、日頃から肛門腺を絞ってやらないと、分泌物が溜まってしまう。今回はそれが破裂してしまったので、その外科手術自体は簡単なものだけれど、一緒に睾丸もとり除くのが一般的なのだと説明された。

さっそく手術の日取りを決めて、その日に連れて行くと、手術のときだけお手伝いにくる、これまた年配の獣医さんがいた。

「手術、やっぱりするのかね?」

何を今さら。醸は排泄するのにも具合が悪そうで、一日に何度も庭に出てしゃがんでいる。昨日は室内で粗相をしてしまった。

「ぜひお願いします」

私は醸を預けて、すぐさま仕事に戻った。秋の行楽シーズンで団体バスの予約が連日何台も入っていた。

手術が終わって、醸を迎えに行く。痛み止めの薬が効いているのか、あまり元気がない。