名古屋の嫁入りについて祖母から聞いた話。名古屋の嫁入りが派手だとは、名古屋しか知らない名古屋の人間にはわからないが、「そりゃあ、派手だよ」と祖母が言った話。
ある名古屋の家が嫁を出すことになった。嫁入り先は名古屋の外。
ご両親があいさつに行ったところ、おむこさんの家族は、何気に「どうぞ、フロシキ一枚でおいでください」と言ったという。これが名古屋人をおこらせた。
「フロシキ一枚でだと。おれをだれだとおもっとる」というわけだ。
結婚式が終わった後、お嫁さんの家財道具が、おむこさんの実家に届いた。そこで新婚生活が始まる。いわれた通り、その荷物はフロシキ一枚で包んであった。けれども、おむこさんの実家のひとたちは、みんなおどろいた。
なぜかというと、トラックの荷台に積まれた、家具や布団の花嫁道具一式が、ものすごく大きな一枚のフロシキで包まれていたからだ。
お嫁さんを出す名古屋人のいじを伝える伝説といったところ。結婚式のために目いっぱい貯金するのは本当みたいだが。
うちも光のために、貯金が始まっているのだろうか。兄たちには分け前が回って来るのか。