このような婚姻関係がかつて習慣であったなら、これでもやはり、「ばかげた状態」には相違ない。
だがクローバーのこの推論は、あくまでも父系制度のもとでの系譜観念からする推論である。
父系観念に馴染む現代人は、右のような図式しか念頭におけない。
だから、クローバーが陥ったばかげた結論が得られることにもなる。
右の図式を母系系図によって書き直してみよう。
最も単純な系図として下のような図を描くことができる。
此の図において、やはり○は女、□は男を示すが、一つの○や□が、それぞれ姉妹、兄弟の一群を表すものとみると、古い時代の群婚状態を示す図として見ることもできる。
図で、母系氏族Aは、その胞族である氏族Bと互いに母系制的あるいはさらに本源的なプナルア婚制的婚姻関係を結んでいる(プナルア婚については次節参照)。