「お母さん、お金の管理がこんな状態のままだと一人暮らしは無理だと私たちは思うけど、どう思う? お金の管理で見直せることはないかな?」
「全然無理だと思わないし、見直すこともないわよ。これまでも一人でやってこれたんだから」
「でもお金の管理ができなくなってるよね? 少なくとも何にお金を使っててお金が足りなくなってるのかがわからないと……。何かいい方法ないかな?」
「別に、あなたたちにそんなことまで気にされることないわよ」
テーブルで対面する母は落ち着きがなくなり、あからさまに居心地悪そうな態度を見せるが、かまわず妻は続ける。母が一人暮らしを継続できるかどうかの大事な局面だ。
「気にしないわけにいかないでしょ。一ヶ月生活するには充分すぎるお金を渡してるのに、それが二週間でなくなるなんておかしいじゃん。何に使えばこうなるの?」
「お金がなくたって大丈夫よ!」
「お金がなくてどう大丈夫なの? 残りの二週間のごはんはどうするの?
この前は私たちが急遽お金と食料を渡しに来たから大丈夫だったんだよ? もしそれがなかったらどうしてたのよ?」
お互いの口調が激しくなるが、次の母の一言でその場が静まり返った。
「別にあなたたちがいなくても、マキ先生がいるもの!」