「おお! 優!」
リビングから姿を見せた父も、やはり老けていた。
「ただいま」
「よく帰ってきたな。三年も帰ってこなくて、まったくよ! ほら、入れ!」
父に背中を押され、リビングに入る。その景色はまったく変わっていなかった。僕がいたあの頃からなにも変わっていない。なにも変わっていないということが、自分の家なのだという妙な安心感を与えた。そして、僕はまたこみ上げてくる熱いものを我慢できずに溢れさせた。
「ごめん……、ごめん……僕……」
「なんだ? どうしたんだ優」
心配そうな表情で近寄ってくる父と母に抱きつくと、僕は大声を出して泣いた。
両親は理由も訊かずに、僕を強く抱きしめ返した。僕が思っていたよりも、ずっと両親は僕を大切に想ってくれていた。臆病な僕が、彼らの愛情からただ逃げていただけだったのだ。
次回更新は8月18日(火)、11時の予定です。
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