【前回記事を読む】暴対課の女性刑事が語る「行方不明事件等に関与し、処理まで請け負っている」という組織。芸能事務所との“繋がり”は…
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刑事課に戻って来た俺は暴対課でのいきさつを刑事課長に話した。刑事課長は笑って
「ハハハ。そうか暴対課が動いてくれるか!なるほど、死体処理の手際が良かったのは極竜会だからであって、極竜会が関わっているから暴対課も腰を上げたわけだ。小林! 今回の一件は刑事課と鑑識課だけではなく、暴対課も動くとはな! 大事(おおごと)になってきたな」
課長の言葉を俺は補足する。
「課長……後、地域課と、そして死体を見てしまった子達の所轄の警ら課……大勢の警官が関わることに……いや、既に関わっています」
課長は静かに頷き、そして
「初めはほんの偶然だった。だがその偶然が複雑に絡み付き、やがて一本の糸となった。
小林……その糸を巻き取り収束するのは……お前の役目だ」
課長の言葉を俺は静かに聞いていた。俺は課長に
「では明日、片倉と共に神木奏馬を検挙してきます」
刑事課長は頷いた。傍で聞いていた黒崎刑事が顔を上げることもなく語る。
「小林……おそらく神木奏馬は逃げることもできず悩んでいるはずだ。初めて人を殺してしまった人間の気持ちを俺達は……知っている」
俺は黒崎刑事の言葉を背中で聞いていた。黒崎刑事は言葉を続ける。
「小林……神木奏馬を……救ってやれ」
俺は振り返り黒崎刑事に応える。
「分かっています……」
そう応え、俺は自席に着いた。片倉は俯き、俺達のやり取りを聞いていた。俺は考えていた。
(神木奏馬……まだ10代だったな……明日は神木にとって残酷な日になる……)
『人は過ちを犯すものだ……過ちは正すことができる。だが……人を殺してしまった過ちは償うしかない……』
まるで俺の気持ちを知るかのように、刑事課は静まり返っていた。