【前回の記事を読む】医学部では3割以上が女性に。それでも医師として働き続ける環境は追いつかない…アメリカで始まった新たな取り組みとは……
第I章 大学・大学病院改革の基本路線
1―2 大学入学者選別――社会の期待に応えられる医師の養成
社会は国民のための良き医師を求めている。
私立医科大学協会の発行する「医学教育経費の理解のために2010年11月」によると大学6年間で一人の医師を養成するのに約1億円の経費がかかると言われている。
学生一人が大学に納入する6年間の学納金は、私立の場合は平均3352・8万円であり、国立の場合は324・3万円である。
これら両者の3000万円の差額の大部分は国民の税金により賄われているところが多い。
医学生はこの事実をまず認識し、自分の利益のために医師になるものではないことを自覚する必要があるし、それを自覚する機会をできるだけ設けるべきである。
すべての医学生が「自分は、地域・社会・国民のための医師になる」という自負を持つようになるには、低学年から医療・地域の現場に触れ、国民、市民、地域住民が持っている医療ニーズや医学生への期待を知る必要がある。
医師養成の第一関門はいかにしてこれらを真に自覚し得るような、そして、将来的に国民社会から要望されている医師になり得るような学生を選ぶかであり、これが大学入学者選抜試験である(図8)。
