序文
医学研究競争力低下、医師・診療科偏在と地域医療崩壊
100年現役社会2050年に向けた地域大学改革の必要性

現在、人生100年現役時代と並行し、人口動態の急激な変化が起こっている。ことに少子高齢化時代の到来に伴い、2050年の15〜64歳人口はピーク時(1992年)の50%以下となる(図1)。

大学入学学生数の著明な減少に伴い、必要な大学数も25〜50%と著減する。国内の大多数の大学では近未来的生き残り策を模索中である(図2)。2050年には働けるまで働く「生涯現役」が常識となる。

医療技術の進展により、健康で長生きする高齢者が増える。人工知能(AI)活用で、自分の能力が生かせる職場が摩擦なく見つかる。

定年による労働市場からの一斉リタイアは過去のものとなり、誰もが能力と意欲に応じて、はつらつと社会に貢献する未来が訪れる。

図1 日本の人口の推移 厚労省HP(我が国の人口について)を加工し作成
図2 大学・病院再編方策:従来の縦割り体制を根本的に変革、
共創的横断的地域社会連携を樹立 (著者作成)

このような人口動態の時代的流れと並行し、国(文部科学省、厚生労働省)から国公立大学・大学病院に次のようないくつかの改革案が出された。