七 トップリーダーの大英断で学校に変容の兆しが…
二〇一三年四月になると彼らの問題行動はさらにエスカレートし、ついには広島県教育委員会から『生徒指導集中対策指定校』というありがたくない称号をもらうところまで来てしまった。
わかりやすく言うと、この頃のM中学校は、
「県内二百校を超える中学校の中で一番荒れている学校」
というレッテルを貼られてしまったということである。
誰がこんなありがたくない称号をもらいたいか。が、しかし、指定を受けたために、人員は増やしてもらえることが決まったとは何とも皮肉な話である。
しかし、これは校長の苦渋の決断にして“大英断”だったと確信する。ピンチをチャンスに変える時だった。
ただ、校長の心中を察するにあまりあることである。
しかし、校長はそれをおくびにも出さず、明るく笑顔で元気よく我々にも生徒にも接していた。
私はこれまで数多くの校長の下で仕事をしてきたが、
「自分が在職中は、穏便に、穏便に」
「生徒も教職員も、事を起こしてくれるな」
とほとんどの校長は保身に徹していたように思えた。私にとっては、
「管理職は“保身の塊”である」としか見えず、軽蔑の対象でしかなかった。
しかし、後川校長だけは違っていた。本気で学校を立て直そうとしているようだ。学校や子どもたちのありのままの姿を発信し、PTAや地域、行政にも積極的に働きかけてきた。
それは、
「彼らが問題を起こしたら、怯まないで警察対応をする。社会で許されないことは学校でも絶対に許さない!」
という発言にも表れ、そのスタンスはブレることがなかった。
「全力を尽くしてやってくれ。責任はワシが取る!」
という彼の言葉からも腹をくくる気持ちが強く感じられたのである。
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