この制度の廃止が決定された当時の報道を見てみましょう。以下は2022年1月7日付で配信された「東洋経済オンライン」の記事「22年度に廃止へ『教員免許更新制』の気になる行方」からの抜粋です。
教員免許更新制とは、小中高校の教員などを対象に10年ごとの講習を義務づけ、講習を受けなければ教員免許状が失効してしまう制度。定期的に講習を通じて最新の知識技能を身に付けることで教員として必要な資質能力を保つために、2007年の改正教育職員免許法の成立を経て、09年から実施されている。
30時間以上の免許状更新講習を受講しなければならない(09年3月31日以前に授与された旧免許状に有効期間はないが、生年月日によって割り振られた期限までに講習を受講しなければならない)。費用の約3万円は自己負担で、休日や夏休みなどを利用して受講する必要があることなどから、不満の声が絶えなかった。
さらに更新期限を忘れて失職する「うっかり失効」が相次いだり、休職中の教員が復帰する足かせになったり、定年間近の教員が更新のタイミングで早期退職したりするなど、学校現場の人手不足に拍車をかける要因にもなっていた。
「まずは働き方改革に取り組んでほしい」「教職員数を増やしてほしい」「現場の声を聞いて真に役に立つ制度にしてほしい」など、早くも現場からは不安の声が聞こえてくる一方で、「教師が学び続けることに異論はない」「余裕ができれば自分で必要な学びに取り組む」といった前向きな声も多い。
独立行政法人教職員支援機構理事長の荒瀬克己氏は、こう話す。
「いちばん大きな問題点は、講習が教員免許にひも付けされていたことです。
教員免許更新制に関係なく、教員は学び続けなくてはなりません。学習指導要領の冒頭に、『主体的・対話的で深い学びの実現』とありますが、これは児童・生徒だけではなく先生にも当てはまるものです。自分に何が足りないのか、何の力をつけなければならないのか、主体性を持って学んでほしいと考えています」
(「東洋経済オンライン」2022年1月7日)