【前回の記事を読む】「あの子は自分が死ぬことをわかって、子供を生んだのよ」彼女の母が差し出した1通の手紙に、出産を決めた理由が……
第七章
優くんは、自分に子供がいるって知って、びっくりしたよね? 驚かせてしまったことも、謝ります。本当は一緒に決めたかったんだけど、子供を生んだことも、私が死んだことも、全部優くんには言わないでほしいって、家族にお願いしたんだ。
優くんは知りたかったと言うかもしれないけど、もう死んでしまう私と違って、優くんはこれからもずっと生きていかなくちゃいけない。それなのに、私が勝手に決めた出産のせいで、優くんの人生を振り回したくない。
だから、優くんがここを訪ねてくるまでは、絶対に秘密にしてほしいとお願いしたんだ。うちの親、そのあたり、ちゃんと守ってくれたかな?(笑) 理解がない親で本当にごめんね。
優くんには、この先、私のことを構わず生きていってほしいと思います。こんな手紙残されて、そんなの無理だよ!って思うかもしれないけど(笑)でも、本当にそう思います。私が子供を生んだのは、優くんの存在を肯定するためであって、優くんの人生を縛るためではありません。
だから、私にしてくれたのと同じように、優くんの持っている優しさを、たくさんの人にこの先も与え続けてください。優くんの優しさが広がれば広がるほど、私は嬉しいし、その人たちの中で私は生き続けます。そうして、幸せな人生を送ってください。
最後に、優くんは自分のせいで私が死んだのだと、自分を責めることでしょう。そういう優しいところが大好きだけど、それは違います。調子に乗って思い上がらないでください!(笑)
長く生きることがすべてじゃない。どうせ、人は死ぬんだから、短くても自分のやりたいようにやって死ぬのが一番です。まあ、これは私の持論だけど(笑)私は優くんのおかげで、誰にでも自慢できる楽しい人生を送ることができました。私には私のことをすごく大切にしてくれる、優しい人がいてね…って、向こうで自慢しておきます(笑)
だから、どうか自分を責めないで、前を向いて歩いてください。
優くん、私にきみの人生の一部をくれてありがとう。ずっと、大好きだよ。』