3人は周囲を見渡します。

女神山の山頂の祠の周りに木立がありましたが、それ以外は広々と遠くまで見渡せて人影はありませんでした。「声だけでごめんね、見えないようにしているから」

人工的な声に聞こえましたが、どこかにスピーカーでも隠されていて、女神山登山者を歓迎する自動音声かと、姫子は思いました。

丈太郎が答えました。

「こんにちは、あなたは誰? 地元の人?」

「地元ではないんです。遠くから飛んできました」淑子も話の仲間に入りました。

「あら、飛んできたのね。どこから? 福島か仙台?」

「もう少し遠いところです。同じように山があり川があり、緑があります。違うのは空が赤みがかっているところかな~」

「あら、夕焼けね」

姫子は山頂から西の方角を見ました。

福島市の土湯温泉が見えて、吾妻小富士や一切経も眺められる絶好の景観でした。

 

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