【前回の記事を読む】チェックはしないまま、判だけを押す上司… 設計トラブルの7〜8割は設計部門が原因。ルールが守られないことで…
1章 嘱託での設計品質改革指導
(優れたDR体制を構築、運用し企業の品質改革を促進)
『大企業病克服はルールを守ることから』
石川島播磨重工業相談役 武井 俊文 氏
DRは設計内容の妥当性を審査する品質維持の関所(DRで節目内の設計業務を完遂させる)
不良は達成すべき設計業務を漏らして次の業務に移るからです。関所で歯止めする内容が不明確だと流出します。関所の横に抜け道があるか、関所の役人が気付かずに通過させてしまう。つまりDR体制の仕組み(設計の節目で審査し定量評価する体制)不備か、レビュワーが指摘すべき課題を見逃すのです。
レビュワー:設計内容の妥当性を専門に審査する人。設計者が作成した大量資料を短時間に理解し、課題を見抜く高い検証能力と、開発品に関係する外部業者の加工知識やコスト情報を理解し、DR審査で指摘し設計に反映させる広範な検証能力(育成も含む)が必要です。
注意:コスト目標達成も重要課題。DRで確認します。金型製作手配の出図時点でコスト骨格が決まります。節目が不明確なDRは関所の目的が混在し、課題指摘を見逃す可能性が増えます。
☆各社で漏らす最重要業務 量産品で不良問題が発生した時、変更処理で不良品を良品に修正して出荷する対策を実施します。が更に踏み込み「どのDR審査の何が不良発生原因か」追及していますか? 悪いDR箇所を直さないと以後も同じ所で漏れを再発させます。この追求を繰り返し実施しDR体制(設計を正しく導くDR堤防)を補正し育て続けることが必要です。
☆設計の道標 発生した不良問題をDR体制に反映すればするほどDR体制が充実し、急速に設計品質が向上します。新人設計者や派遣者が増えても優れたDR体制が品質を守ります。
優れたDR体制構築
不良品はDR審査の堤防から漏れて発生します。その原因を調査しDR体制を補正する。後に続くDR審議で同類の不良再発を防ぐためです。補正作業をレビュワーに主導させることで彼の教育にもなり重要です。
DR補正に向けた討論には、設計者はもちろん、部内の設計管理者全員を参加させて議論することで設計者・管理者へのOJT(On the Job Training業務を介した訓練)になり設計組織全体の能力向上に役立ちます。
DRは節目内で設計業務配慮漏れを防ぐ作業です。審査範囲を狭める事で設計配慮漏れが気付き易くなり漏れ発生を防ぎその積み重ねで開発製品の不良発生を減少させます。
管理者に必要な能力:一方、量産品の変更処理で「問題発生を繰返す管理者」は「量産対応で急ぎ対策を導入したい」とのみ考え「設計者と同じ観点で変更処理を承認する」ことが多く、変更に含む問題点を見抜く能力に劣ります。
彼は製品の「必要機能を見逃す」ことが多いのです。変更処理能力を向上できないなら、企業内の別の道を与えてやることもやむを得ません。(第一部2章の失敗事例参照……コストダウン目的の派生モデルで死亡事故が発生しています)