西洋的な考え方のすべてが
日本人に当てはまることではない
話は脱線しますが、たとえば世界を平和にするのに、誰がリーダーになればいいかと考えると、日本人だと思います。日本人は基本的に差別をしません。
差別大国みたいなところで、国際平和をテーマに考えることができるとは思えません。
極端なことを言えば、過去、日本人は戦争で敵軍をやっつけた後で亡骸を手厚く葬ってきました。たとえいがみあって憎い人たちでも、死んだら「ノーサイド」。みんな仏様になります。こういう感覚を持った稀有な人種です。
自分だけ良ければいいという感覚が少なく、謙虚で思いやりがあります。
私は留学で渡米した折、ご縁があり武道を教えていた時期があるのですが、私に話しかけてくる外国人は口を揃えて「日本は素晴らしい国」と称賛していました。よく言われたのは、「財布を落としても無事戻ってくるのは日本ぐらい」や、「地震や災害があっても暴動が起きない。列にも横入りしない」。
それほど海外では、日本人にしたら、「ちょっとどうなのかな?」と眉をひそめるような行動が、割と平気で行われています。
思うに日本人の精神性には「自然崇敬」があるからではないでしょうか。
自然に恵まれて自然と一体化しようという姿勢があるので、自然災害でも受け入れてしまう。地震で被災しても、みんな「仕方がない」と。そういう心持ちで暮らしている人種は、おそらく日本人だけでしょう。
日本の良さのなかには、そのような独自の精神性があると思うのです。武道も同じで、人間を良い方向に導いてくれます。
武道の技を覚えても人殺しをしようという殺戮術ではなく、その技を学んでどう生かすかに精力を注いでいるのです。