お母さんは療育には大変熱心で、療育の後に持ち帰るこばとの宿題はきっちり見てやっていた。さらにプリントと同じような課題を作ったり、こばとの宿題ノートをコピーしたりして多めに学習をやらせていた。
こばとの定期面談の時、お母さんはどこの小学校が良いか相談して来た。場合によってはこばとの近くに転居する心積もりもあるようだった。
彼ら家族の住まいは千葉県内ではあったが、千葉市とは違い、障がい児の就学に関しては厳格な規定をあてはめ、保護者の希望、要望はあまり反映させてくれない、と障がい児の保護者間では噂されている市だった。
彼は重度の自閉症なので、当然支援学校を勧められると思うが、お母さんとしては彼が自力で通える小学校の支援学級に入学させたい、と言った。
私は「千葉市なら重度でも受け入れる支援学級はありますよ」とこばとの近隣にある小学校の名前をあげた。そこの小学校の支援学級は生徒の人数は少ないが担任は二人。
というのは情緒学級、知的学級一緒に授業しているので、生徒が少なくても必ず複数担任なのだ。そして併設されている「ことばの教室」の先生のフォローも受けられるので人手に余裕がある。さらにその小学校は歴史ある伝統校なので先生の人数も多いと付け加えた。
お母さんは私のアドバイス後、こばとに近い小学校の支援学級をいろいろ調べたようで、最終的に私が勧めた小学校の支援学級に入学することに決めた、と言った。
しかもその希望を確実にするため、その小学校の近くに建てられた新築マンションを買って引っ越すことにしたという。