もうひと歩きする前に、ミカは朝食、昼食、夕食をまとめて、今朝ポケットに突っ込んできたパンをひとかじりし、傍のマンゴーの枝から赤く輝く実を取って喉を潤した。マンゴー、バナナ、グアヴァ、パパイヤ、なんであれ、手の届くところに群生する。自然の恵みがあればこそ、極貧の中でも、なんとか生き延びられる。歩みも続けることができる。

「もうひと踏ん張り歩こう」

歩いても、歩いても、赤土の細い道は変わりなく続くが、空は刻刻と色を変えていく。

暫く行くと夕陽で一面真っ赤に染められた池に出た。

「疲れも出てきた。木陰で一服しよう」

十月のこの時期、雨季には早いが、ジンバブエでは軽いシャワーのような雨が時おり降る。心地よい雨のしぶきが疲れと汗を洗い流してくれた。カドマを通りぬけて、クウェクウェに向かう途中、ひと眠りすることにしてバオバブの木の根元に腰を下ろした。

どっぷりとした疲れが体全体を覆い、すぐさま眠気に襲われた。そして眠りの中、無意識に昔の細かなことが展開されていた。

 

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