先日の面接で、野間の両脇に面接官として座っていた保育科長の山中茂(やまなかしげる)と福祉介護科長の須田謙二(すだけんじ)だった。

その後、野間は彬を連れて校長室に戻り、嬉しさを隠すことなくおおらかな態度で、隣の職員室に聞こえるくらいよく響く笑い声で、ソファーに座った彬に陽気に話しかけた。

打ち合わせというよりは、雑談に近い内容だった。

「まあまあ、ご飯を食べていきなさい。河野(こうの)先生、お茶」

野間は彬の都合を考慮することもなく、矢継ぎ早に自分がどれだけ学校に貢献してきたか、そしてこの学校で起きていることを誇らしげに、一方的に話し続けた。

彬が予定していた時間を大幅に過ぎ、気がつけば時刻は午後二時半を回ろうとしていた。彬に説明している間、じっと座っていられない野間は、時々、ドアを開けて職員室にいる河野に幾度となく呼び掛け、お茶やコーヒーを運ばせた。

「藤井先生、この後、離任式があるから一緒に見ていくといい」

さらに野間は彬を帰すどころか、これから開催される離任式への同席を求めた。

彬にとって予想外の展開だった。まだ新任の挨拶も済んでいないのに、いきなり職員や学生達に交じって式に同席するのだから。

「まあ、藤井先生。そこら辺りに座って見ていきなさい」

野間に連れられて、ゆうに三百人は収容できる学生ホールに招き入れられた彬だったが、場違いな雰囲気を察し、学生達から距離を置くように気配を消しながら、一番後ろの席に腰掛けた。

 

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