【前回の記事を読む】お遍路中に事件発生。2日前から「足が痛い」と訴えていた友人…ついにその足はパンパンに腫れ上がってしまった。病院に行くと…

第二章 土佐─修行の道場 長い長い道とお接待

15日目 2024年10月3日(木)

宿が門前で目の前にある。雨も止み、精神的に疲れている。チェックインの時間まで少し昼寝することにした。ウトウトし始めると「ハーイ! ミカ~」と優しい声。振り返ると民宿とまこで一緒だったイングランド人のデイルが現れた。

顔に疲労の色が見えるデイルに足のまめの具合を聞くと「疲れたし、ひどいホームシックで、僕はもうここで打ち止めにして帰国することにした」と話す。

「火曜日の飛行機で日本を発つ」と言うので「続きを打つ時は奥さんと一緒においでね。33番までよく頑張ったね、会えて良かった!」と伝えると「僕も美香に会えて良かった! 88番までの君の幸運をイングランドから祈ってるよ!」と言ってくれ、ハグをして別れた。

辛いよな、この旅。苦しいばかりだよな、この旅。過酷過ぎるよな、この旅。デイルの気持ちがよくわかる。出会っては別れ、離れては再会する。こういう一期一会の出会いが日常的な遍路旅では、いろんな思いが押し寄せる。次々と繰り返される出会いと、櫛の歯が欠けるように途中でリタイアしていく遍路たち。この旅は本当にすごい。

明日からは励まし合う友達もいない。何が起ころうとも、ひたすら己と、弘法大師との《同行二人》だ。せっかくだから、弘法大師に会ってみたい。あと1ヶ月の一人旅。ワクワクするけど、ちょっと不安だ。