プロローグ
なぜか突然思いついた四国遍路。
さぁ、1年かけて準備してきた四国歩き遍路 1500km踏破の旅。いよいよ明日自宅を出発する。
最小限に抑えた荷物でも、リュックやお参り道具は必須。必要なものを詰め込むとリュックだけで5kg超え、頭陀袋は1・5kg超え、結局7kg近くを担いで歩くことになった。
四国のスタート地点に行くだけで挫折しそうだ。いや、自宅から最寄り駅までで気持ちが折れそうだ。
しかし、1年間積んできたトレーニングを無駄にはできない。なぜこの旅をする気になったのか、私自身が知りたい。向かえば理由が見つかるような気がする。
第一章阿波─発心の道場 初日から倒れそうになる
1日目 2024年9月19日(木)
●気温:33℃ ●天気:晴れ ●宿泊予定:観梅荘
朝9時に名古屋の自宅を出発。最寄り駅に着いただけで気持ちが萎えた。必要最小限の荷物のつもりでもその日の食糧とドリンクを入れると8kgは超えている。これで1500kmも歩けるとは思えない。名古屋駅で相棒の敦美ちゃんと合流し、新大阪へ。
山陽本線に乗り換え神戸三宮へ。
9月半ばというのに暑さがすごい。現地到着前にバテる。まずはしっかり食べようとビビンバを食べた後、四国へ向かう。高速バスで鳴門の渦潮を窓から眺め、昼寝をしながら15時過ぎに鳴門西のバス停で下車。今夜の民宿《観梅荘》まで歩く。
敦美ちゃんの友人のイタリア人のジュリオが合流するのを待った。当初は2人旅の予定だったが、相棒がうっかり口を滑らせたせいで「僕も行く! 友達の美香に聞いてくれ!」と言われ、「私は世話しないけど、行きたければ構わないよ」とあっさり許可してしまった。
イタリアからはるばる歩き遍路をしにくるなんて「世界中に変なやつはいる」と感じた。いや、変なのは私だけではなかったらしい。実際、世界中の巡礼の道には、文字通り世界中から人が集まる。巡礼好きにとって、四国は魅力的なのかもしれない。
明日からいよいよ開始。果たして歩き通せるのか……まったく自信がない。道筋を地図で確認する。どうか無事に回れますように。