【前回の記事を読む】過酷な遍路の道中、「昔はたくさん遍路が死によったきね~、行き倒れたら穴掘って埋めてやったらしいがよ」地元の人に教えられた
第三章 伊予 菩薩の道場 山ばかり、でも人が優しい
26日目 2024年10月14日(月)
宿を出てから15kmも歩いたというのに、見事にコンビニもトイレもない。ホントにこれが一番辛い。街中ではコンビニなんてあっちにもこっちにも、あり過ぎるくらいあるというのに。3日間コンビニを見ないなんて普通の歩き遍路。そうは言っても、出もの腫れ物ばかりは辛くて仕方がない。
すると、「お遍路さん、ご自由にお休みください」という手書きの看板が出ていて、ベンチがいっぱい置かれた、じゃこ天屋さんがあるじゃないか! 図々しいとは思ったが、お店を覗き、お手洗いをお借りできないか聞いてみた。すると忙しそうにしていたお兄さんが快く貸してくださって、ホントに助かった。もちろん納め札を受け取っていただいた。
今日は次の札所には辿り着けないので、歩き続けるだけだが、行けるところまでは行く予定。歩くだけの日は疲れが半端ではない。それにしても、爪がなくても歩けるのだと、生まれて初めて知ってしまった。
やっと現れたコンビニで、アイスコーヒーを飲もうと入っていくと、みっちゃんがいる。私がじゃこ天屋でトイレを借りてもたもたしている間に追い越したみたいだ。スイス人の若い女の子と横浜のオヤジという不思議な2人組と話し込んでいるので、私はアイスコーヒーを買って日陰で涼んでいると、みっちゃんが「いたいた~! 美香ちゃん皆で写真撮ろ~よ」と手招きするので、とりあえずみんなで記念写真を撮った。
愛媛県の国道にあるトンネルの横には、歩行者と自転車専用トンネルが用意されている。このトンネルは、車は入ってこないし、涼しいし、幅も広いし、なかなか快適だ。トンネルを抜けると、愛媛に入って初めて海を見る。《豊後水道》だ。高知の海とはまた表情が違う。この海の向こうは九州の大分県だ。日本地図が頭に浮かぶ。
高知も愛媛も、四国では海も川も透明度が高い。飛び込みたくなる綺麗さだ。そして水がものすごく美味しい。家の蛇口から出る水が美味しいなんて、羨ましい限りだ。この水を求めて、わざわざ引っ越ししてくる人もたくさんいるそうだ。