【前回の記事を読む】峠を一人で下っていると、白い軽が通り過ぎてカーブの先で止まった。私を待っていたらしく、助手席から降りてきて…
第二章 土佐─修行の道場 長い長い道とお接待
10日目 2024年9月28日(土)
●気温:31℃ ●天気:曇り ●予定距離:35km ●参拝目標:なし ●宿泊予定:辨天屋旅館
次の札所までは76km以上。2日かけて歩く。高知県内にはお寺の数が少なく、間隔が長い。延々と歩き続ける修行だ。
宿の《南天》さんを出発。80歳過ぎの女将さんと、一緒に宿泊していたアメリカ・オレゴン在住のまゆみさん(昨年、私と同じ峠で足を痛め、遍路を断念し、今年リベンジに来たとのこと)と記念撮影をして、海を目指す。
どれくらい歩いただろうか、ずっと山の中にいたせいで、海に出るのがワクワクする。道の感じや山の感じが変わり、風と香りが変わってきた。ついに海に出た。
今度は海沿いを歩き続け、高知県へ入る。今夜の宿《辨天屋旅館》は徳島の高知寄りにあるサーフスポット宍喰(ししくい)の近く。そこまでの22kmの距離をひたすら歩く。身体に問題がなければ最高に気持ちの良いコースのはずだが、そうはいかない。
昨日大転倒して怪我した右足の小指が痛い。処置して挑んだが、靴に足を入れただけでズキズキ痛む。
初めは1~2km歩いては靴を脱いで足を解放、これを何度も繰り返したが、後半になると距離を歩けなくなった。宿の手前1kmからは200mおきの休憩。靴があまりに痛く、裸足で歩きたいほどだ。
やっとの思いで宿に着き、洗濯とお風呂を済ませた後、女将さんに「この宿の近くでビーチサンダルは売っていますか?」と聞くと、「2軒隣にあるかも」と教えてくれた。店が閉まる前に、宿の靴を借りて急いだ。何とか間に合い、ビーチサンダルを確保。靴屋のお母さんも親切に店内を探してくれた。
皆さんの一言一言と優しい対応にいちいち泣きそうになる。ビーチサンダルで歩けるのかという疑問はあるが、トレッキングシューズは傷ついた足には厳し過ぎる。せめて数日、怪我した足を休ませたい。