【前回の記事を読む】大転倒して爪が剥げても、歩き続けるしかない。靴に足を入れただけでズキズキ…急いでビーサンを購入。これで40kmの道を行く!

第二章 土佐─修行の道場 長い長い道とお接待

12日目 2024年9月30日(月)

●気温:30℃ ●天気:曇り時々雨 ●予定距離:31km ●参拝目標:24番 最御崎寺、25番 津照寺、26番 金剛頂寺 ●宿泊予定:おうち宿しだお

昨夜の宿マンボウさんの元気な女将に別れを告げ、室戸岬を目指す。昨日購入した靴は軽く柔らかいので右足の傷に優しく、歩けそうでホッとした。

‌30km‌の行程に耐えられるか不安だったが、雨が降ったり止んだりの天気の中ひたすら歩く。

同行者とは宿で会うからと別々に歩く。敦美ちゃんはジュリオの世話をする使命感が強い。イタリアから来たとはいえ60歳過ぎの大人だし、放っておいてもよさそうなものだ。振り回されているようで心配だが、私の体力と精神力がギリギリで、構ってあげる余裕がない。

結果、私は1人で歩くことが多く、傍から見たら一人遍路に見えるようだ。

室戸岬を越え前進していると、対向車線でチャリに乗ったおじさんが「お遍路さーん! 明日から10月だよ~♪」と声をかけてきた。遍路をしていると日にちと曜日の感覚がなくなる。タイムリーな声かけが嬉しく、「おっちゃん、ありがとう~!」と叫ぶと手を振って去っていった。なんとなく気分が良くなり、手を合わせたくなった。

今日もお接待を受けてしまった。24番、25番と回り、26番札所に向かって汗だくで歩いていると、こざっぱりしたおじさまが紙コップのアイスコーヒーとパンを持って私を見ていた。「こんにちは~」と声をかけると、「お遍路さん、ほれほれ、これ飲んで」と自分のコーヒーをくれた。