【前回の記事を読む】コンビニに行こうとして、マップに騙されて竹林へ…仲間割れして一人でルートを探していると「なんだ1人か?」と…
第一章阿波─発心の道場 初日から倒れそうになる
9日目 2024年9月27日(金)
●気温:30℃ ●天気:曇り時々晴れ ●予定距離:25km ●参拝目標:23番 薬王寺 ●宿泊予定:民宿南天
早朝、宿民宿とまこさんのオーナー夫妻とイングランドからのデイルさんと写真を撮って出発。まずは20km ほど先にある23番札所を目指す。デイルは足のまめが痛くてバスで行くことに。
2時間ほど3人で歩いたが、同行者2人に私のペースに合わせてもらうのは心苦しく、先に行ってもらう。インドアスポーツ歴が長い私は、夏の暑い日差しや冬の凍りつくような空気に弱い。体力の消耗が激しくなる。情けない。
それに気づいたからと言って、今、この瞬間が楽になるわけではない。私は私のペースで23番を目指す。今日で発心の道場、徳島最後のお寺を打ち終わる。まずは峠を1つ越えなければ。
1人で1時間ほど歩いた時、後ろから大きなダンプカーが。避けようと道端に寄ったところ、小枝に足を取られ大転倒。8kgのリュックを背負っていたため、かなり激しく打った。じっとしてはいられず、歩き始めたが、時間が経つごとに痛みが増す。打撲だけではなさそうだ。
それでも本日の目標である23番だけはと必死で歩く。長年スポーツをしていたせいか、生まれつきなのか、痛みには強くなっている私だが、痛みで泣きそうになっている。そんな時、横を白い軽が通り過ぎた。車なら、ここから23番まで8分で着く。私はあと1 時間半かけて歩く。痛みに耐えながら、峠の下りのカーブを曲がると、さっきの車が止まっていた。
助手席から女性が降りてきて、「お遍路さん、今、こんなものしかないけど、飲んで! 冷たくなくて申し訳ないけど」とオロナミンCを差し出してくれた。じわっと泣けてきて、納め札をもらっていただき、ありがたく頂戴した。私が下りてくるのを待っていてくれたらしい。地元の人の優しさに慰められ、少し元気が出て歩き続けることができた。