23番薬王寺に到着し、先に着いているはずの2人を探すが姿はない。ラインで確認すると、違うルートで進んでおりまだ到着していないとのこと。私はお参りを済ませ、足の様子を見がてら休む。
右足の小指は、先ほどの転倒で爪が3分の1ほど剥がれていた。時間があったので、消毒とバンドエイドとテーピングをして、しばらくベンチで休む。どれくらい寝ていたかわからないが、ジュリオに起こされ、2人と再会。1時間くらい23番の境内にいたことになる。
2人の顔を見られて安心し、お参りをする2人と交代するように今夜の宿、民宿南天に向かう。4kmほどハイペースで頑張ったが挫折。右足の小指が痛過ぎる。触っても何も感じないくらいになっているのに、立つだけで「ギャー!」と叫んでしまうほど。もうこうなると、ただただ足を引きずりながら、宿に向かって歩くしかない。
宿へ……とにかく宿へ。ボロボロの私を見て、宿の女将さんは驚いたようだが、とにかく早く部屋に入り、お風呂に入りたかった。チェックインして、着替えていると、2 人が到着。
風呂と洗濯を済ませ落ち着いたら、転んだ時に踏みつけて粉砕した菅笠を修理。歩きながら見つけたホームセンターで買った針金とビニールテープで直す。
菅笠の五徳部分はちぎれたり折れたりして笠から剥がれ落ちていた。ビニールテープで五徳の形状を戻し、針金で補強し、笠と五徳を針金でくっつけた。手拭いを縦に裂き五徳の輪に巻きつけると、額に当たっても痛くない。
自分が器用で良かったと思ったのは初めてかもしれない。私の実家では家族全員手先が器用だったので、特別なことと思わなかった。学校で「器用だね」と褒められて初めて、一つの才能だと気づいた。しかし、それで特に得した感はなかった。ところが、満足な道具も材料もない旅の途中で、手拭いを裂いて菅笠を修復できると、とても得した気分になる。怪我さえしなければこんなことしなくて済んだのだが。
爪が剥げるなんて……じわりと絶望感が湧いてくる。気持ちが凹むので、早く寝ることにした。
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大転倒して爪が剥げても、歩き続けるしかない。靴に足を入れただけでズキズキ…急いでビーサンを購入。これで40kmの道を行く!
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