スケート:2cm幅ほどの鉄製のスキーに靴を載せられるように作った簡易スケート。靴底に付けられるブレードのみで、しかも雪上を走ることから雪に接する面はエッジではなく2cmほどの幅があり、安定して雪道を走れる。
いわば鉄製の靴幅のミニスキーである。その上に長靴を載せて、動かないように金具で押さえる。
当時、子供は雪道を滑って遊んだ。しかし、ソリに重い荷物を載せて運ぶ人にとっては“きんきらが”這う(道が滑るようになる)と、道が滑って運べなくなるので嫌がられたり叱られたりした。
冬になるとなぜかチャンバラが流行った。広い山の両側に陣地を設け、そこを基点に200mも先の敵に向かう。
斬られると味方の陣地の生き柱に触って生き返り、また敵に向かう。広大で勇壮な遊びであった(集落や町同志の子供の戦い)。
そのほか:雪天狗(一本足駄)・サイの神(左義長(さんぎっちょう))・かまくら・迷路など。
[11]女の子の遊び
ままごと・なんご(お手玉)・ぼぼさ(人形遊び・着せ替え人形)・石蹴り・おはじき(銀杏の実も使われた)・縄跳び・あやとり・リリアン・刺繍など。
ケンはこれらのほとんどの遊びを経験した。しかも夢中になって遊んだ。これではとうてい勉強する暇は無い。
しかも女の子にせがまれて、ままごとや“ぼぼさ”(父親役)にまで加わった。刺繍やリリアンは土地柄もあって、特に流行った。しかも刺繍は縫製工場から頼まれて本格的なアルバイトにまで発展した。
よくよく考えてみると、こうした遊びにも、古くから変わらないものがある一方、新しくどんどん生まれたり、変化していくものもある。いや、絶えず変化しているといっていい。
まさに遊びは生きている。しかもその遊びは多種多様で、遊びの研究をしようとしたならば、おそらく泥沼に落ち込んでしまうに違いない。
やはり子供は遊ぶのが本来の仕事である。子供から遊びをとったらどうなる?
ふっとケンは思った。遊びは子供の本質、いや、もしかしたら人間の本質……人間らしさの本質かもしれないと。
その遊びにケンはどっぷりと浸かっていたのであった。
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