【前回の記事を読む】お遍路中、トイレに行きたいのにコンビニがない! 恥を忍んで金物屋さんに駆け込むと、“あるもの”を渡されて…

第一章阿波─発心の道場 初日から倒れそうになる

7日目 2024年9月25日(水)

●気温:31℃ ●天気:晴れ ●予定距離:20km ●参拝目標:20番 鶴林寺、21番 太龍寺 ●宿泊予定:心空

足が腫れたまま朝を迎える。今日は2度目の難所。20番から21番札所。2つの急勾配の山頂にあるお寺を、1日で立て続けに参拝する。

最初の試練は宿を出て16kmほど歩いたところから始まる登山だ。疲れが抜けきらない足に嫌な予感がする。山麓まで歩き、最初の登山に挑む。勾配がきつくなるにつれ右足の先から痺れが始まった。山頂まであと1km‌ の地点で、長時間正座した時のような痺れが膝から下に広がった。かなり危険だと感じる。気を緩めれば怪我につながる。初日の熱中症、連日の猛暑、長距離歩行による疲労で足が思うように動かない。

まだ6日目なのに情けない。20番札所鶴林寺の境内で休憩したが、ミネラル不足か血糖値低下か、クラクラする上に足が上がらない。携帯食や経口補水液を摂取していたにもかかわらずだ。

「もう、なんでーっ!! しっかりしてよー私っ!」と思わず叫ぶ。しかし痺れは引かない。右足が痺れたまま下山するしかない。まったく言うことを聞かない右足をなんとか動かして下まで下りたが、状態は変わらず、同行者の足を引っ張りたくないので、次の太龍寺の登山は断念せざるを得なかった。悔しいがロープウェイを利用することに。21 番札所太龍寺にはロープウェイがあり、今夜の宿はそのロープウェイ乗り場の前にある。

2人の荷物も預かりタクシーで先に宿に行き、自分はロープウェイで上がることにした。

痺れた足は上がらないが、何としても今日中に太龍寺に参拝しないと翌日以降に響く。

情けない気持ちで太龍寺に到着すると、そこは見事に立派で雰囲気のあるお寺だった。こんな場所によくこんな立派な寺を建てたものだ。弘法大師はよほど険しい山頂が好きなちょっとイカれてる人だと不謹慎にも思ってしまう。とにかく今日はお風呂でマッサージして、食事をしっかり取り、明日までには回復することを祈って眠ることにした。