【前回の記事を読む】老人ホームのレクリエーションや趣味の会を楽しまないのはダメ? 自室で映画鑑賞や読書、原稿執筆をしていたら…
第Ⅰ部
第2章 元気な入居者の暮らしぶり
6 ホームでの人付き合い
女性はすぐ仲良しになれる
ダイニングルームでは女性同士の相席や隣席で、おしゃべりしながら食事を楽しんでいます。それぞれ居室が別々なので、ダイニングルームには別々にきますが、ひとしきりおしゃべりを楽しんで、ダイニングルームを出るときは、皆いっしょです。食後もその続きをするのでしょう。
おしゃべりの内容はお互いの健康状態や他人の噂話であろうと思います。女性にとってダイニングルームは一番の社交場なのです。
私は、文化祭が縁で、出会うと声をかけ合う知人ができました。最初に自費出版をした出版社は、出版時、ドサリと100冊も著者である私に著書を送ってきました。100冊も渡されて困惑しました。差し上げる友人・知己は精々30人くらいしかいません。
折しも文化祭が開催される時期だったので、そこで本の紹介をし、読んでみたいという方に無料で差し上げることにしました。ありがたいことに、20人の方が応募してくださいました。
その本はちょっとドジな飼い猫・にゃん太郎の生涯を書いた本です。猫好きな人には関心があったのだと思います。多くの方からお礼のお手紙や感想をいただいて、それをご縁に、出会えば「リリコさん、お元気?」と声をかけられるようになりました。お互い高齢者なので、体調に関する情報交換が殆どです。私も歯痛のことは話していました。
そのお1人のHさんは、ときどき、食べやすい高級スーパーのカスタードプリンをプレゼントしてくれていました。その後、夫様が昨年亡くなってしまいました。Hさんは元気に過ごしているか気にかけていたところ、今年は運営委員会の運営委員を務めていることを知り安心しました。
Kさんは俳句集を何冊も出版している傑出の俳人です。夫様は今年の1月に97歳で亡くなりました。「あと3年生きて、100歳まで生きていてほしかった」と惜しんでいました。Hさん、Kさんも今やおひとりさまです。
けれど、お2人の表情に「夫を看取れて、ホッとした」という安堵感を見てとることができました。私は夫より5歳年下だから、私もそうなりたいけれど、それは叶わないだろうな、夫のほうがおひとりさまになるかもしれないなと思ってしまいます。