三月二十六日(水)

この日も朝の飲水が悪い。嘔吐もした。おやつタイプのちゅーるさえも拒否した。

この日は午前と午後も仕事で、午後の仕事が早く終われば診療時間に間に合わなくもないが、念のため妻に受診をお願いする事にした。昼にいったん帰宅すると、少し食べてくれた。

午後の仕事。訪問先の食品工場は、職場環境に非常に問題があるので、これまであれこれと口を酸っぱくして改善するよう促していたが、この日の会議では黙っていた。

従業員を大事にしない会社よりも猫さんの方が大切。

普段は事細かに指導するが、この日は猫さんに食べさせるおやつやちゅーるの事ばかり考えていた。とにかく早く帰りたい。会議も何も言わなければ早く終わるだろうと、一言も余計な話はせず、ひたすら義務的な業務が終わるのを待っている。

介護離職をする人の気持ちが分かるような気がした。

介護自体の負担が大変で会社を休むうちに仕事にならなくなる、という人もいるかもしれないが、きっと私のように、仕事よりも大切な存在が気になって仕方ないのだろう。

まだ従業員を守るために努力を惜しまない企業なら、介護を一旦脇に置いて頑張ろうという気になれるが、この日の工場の様に法令違反を何十回と指導しても改善せず、労災を頻発させる企業に対しては、こういった時には熱が入らないものだ。

だからといって離職をするわけではないが、魂は仕事中もずっと猫さんの傍にいる。

祈りの効果もあって、十六時前には仕事も終わり、帰宅をする。しかし、また食べなくなった。

その後、もっと落ち込む事件があった。私の部屋には子どもが入って怪我をしないよう、高さ60cmほどのベビーガードが設置してある。