減塩味噌汁がぬるいだけで、心がザワつく。
「器の問題では?」
母が言った。
「私のですね」
「そう」
正確だった。
私は対策モードに入った。
・予定を減らす
・決断を減らす
・人と少し距離
・睡眠優先
減量期は“攻めない”。
外来で中間チェック。
「想定範囲です」
主治医が言う。
「眠いです」
「寝てください」
「シンプル」
「効果的」
医療アドバイスは時々直球だ。
「再燃サインは出てません」
「それが一番」
「減量は順調」
順調という言葉は効く。
派手ではないが強い。
帰り道、私は気づいた。
最初の頃は、“増えるのが怖い”。
今は、“減るのが怖い”。
同じ薬なのに、立場が変わった。
夜、闘病仲間に書いた。
減量フェーズ突入
おめでとう
ここからが本番
祝いと脅しが同時に来た。
正しいコミュニティだ。
私はログを読み返した。
入院直後で、大量投与。
副作用ラッシュ。顔パンパン。
不眠。焦燥。
あそこを通ってきた。
それを思うと、今は下り坂だ。
怖いが、前進だ。
鏡を見る。
まだ少し丸い。
だが目は落ち着いている。
人は顔に履歴が出る。
寝る前、薬を並べる。
昨日より1粒少ない。
テーブルの上の風景が少し変わる。
それだけで、物語が進んだ感じがした。
ログに書いた。
【減量開始】
【不安あり】
【でも前進】
3行で十分だった。
カレンダーに丸。
薬、レベルダウン成功。
次回更新は7月20日(月)、16時30分の予定です。
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