見抜かれた。薬の制限が取れると本当に怖くなる。
「少し」
「正常です」
最近よく聞く言葉だ。
「効いている薬を減らすのは怖い」
「そうです」
「でも副作用も減らしたい」
「そうです」
「だから少しずつ」
医療はアクセルとブレーキの同時操作だ。
減量スケジュール表をもらった。
週単位で刻まれている。
まるで山を下るルート図だ。
私は思った。登るより、下る方が難しい。
薬局。薬剤師が言った。
「ここから体調揺れやすいです」
「やっぱり」
「眠気、だるさ、気分の波」
「フルコース」
「全部は来ません」
「割引希望です」
少し笑った。
帰宅したら、まず母に報告。
「減った」
「よし」
「でも怖い」
「よし」
「両立するんですね」
「する」
即答だった。
減量1日目。体感は変わらない。
2日目。少し眠い。
3日目。やたら眠い。
4日目。とても眠い。
「これは来てますね」
母が言った。
「減量波」
名前がついた。
名前があると対処しやすい。
昼寝が増えたログに書く。
【眠気 強】
【気分 低】
【数値 安定】
ここで重要なのは、数値も並べて書くことだ。
体感だけだと不安が暴走する。
5日目、少しイライラした。
些細なことで引っかかる。