【前回の記事を読む】【IgA腎症】心拍数体感100超え、少しのめまいと息苦しさ、少量で色がやや濃い尿…緊急外来に行くか迷っていると母が…
第十二部:夜中の異変と、救急外来の現実
闘病は、無事な日だけでは作られない。
対処できた日で作られる。
カレンダーに丸。
深夜イベント、クリア。
第十三部:薬が減る日、怖くなる日
外来の待合で番号を待っているとき、私は少しだけ期待していた。
今日、減るかもしれない。
ステロイド。丸くなる薬。効くけど強い薬。助けてくれた薬。恨まれてもいる薬。
複雑な関係だ。
血液検査の結果が出るまでの時間は、独特だ。
長い。時計の進み方が違う。本当にやめてほしい。
周りを見ると、それぞれの人がそれぞれの病気を抱えて座っている。当たり前の光景なのに、ここでは少しだけ連帯感がある。誰も話さないが、全員が戦っている。
番号が呼ばれた。
診察室。主治医はモニターを見て、少しだけ口角を上げた。
「いいですね」
この一言で分かる。今日は良い日だ。気持ちがとても楽になる。
「炎症マーカー安定」
「はい」
「尿蛋白も下がってます」
「はい」
「クレアチニンも横ばい」
「横ばい大好きです」
「いい趣味です」
数値ジョークが通じる関係になってきた。
「減らしましょう」
来た。その文字。
何度聞いても嬉しいはずの言葉。なのに胸が少しざわついた。
「何ミリから何ミリへ」
具体的な数字が告げられる。
私は頭の中で計算した。
開始時から見ると、かなり減っている。
普通なら喜ぶ場面だ。
「怖いですか」