【前回記事を読む】SNSで知り合ったという女性3人が、連れだって警察にまで来て“あるもの”を見たと…しかし現場には何の痕跡もなく…

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俺は改めて、この鑑識課の課長を眺めた。長身で無駄な肉はついていない。細身の体でありながら『仕事』の時は、重い鑑識道具を担ぐ力強さを持っていた。俺はスーツのポケットから例のジッパー付きのビニール袋を取り出すと

「これ……何ですが?」

と鑑識課長の整った顔の前に出した。鑑識課長は

「う~ん、あたしの趣味じゃないなあ……いらない」

俺は再度呆れた。そして強い語気で言った。

「あなたにあげるために持って来たんじゃないですよ! 調べてください!」

鑑識課長はニヤつきながら

「冗談だって。あんた相変わらずだな」

そう言って鑑識課長は髪留めの入ったビニール袋を受け取ると

「今仕事が立て込んでるからなぁ……時間かかるぞ」

俺は間髪入れずに

「急いでください!」

鑑識課長がニヤついた顔で

「あんた達刑事という職業はなんでせっかちなんだよ? ……理由(わけ)を聞かせてくれよ」

俺は頭を掻くと

「分かりました……でも忙しいんでしょ?」

鑑識課長は自席につくと、空いている椅子に座るよう促してきた。俺は促されるまま椅子に座ると、これまでの事を話すことにした。

『どうにもこの人……苦手なんだよなぁ……』

松下鑑識課長の整った顔を見ながら心の中で呟いた。