【前回の記事を読む】実際のところ、どれくらい考えてる? 中堅私立大学の大学生400人に「キャリア」について聞いてみた

第一章 夢ややりたいこと(大学生編)

H私大2年生へのアンケート依頼理由

ところで、H私大2年生の学生にアンケートをお願いした理由について説明しておきます。理由は5点あります。

1点目はH私大が複数の学部学科(7学部13学科4研究科)を擁する中堅私大なので、様々な思考や価値観をもった学生が在籍していることが想定でき、多種多様なアンケートの回答を得ることができると考えたからです。

2点目は回答者の年齢が19歳〜20歳の学生が主で、まさしく「若者」であること。3点目は4年間の大学生活の中で2年生は働くこと(ワークキャリア)や就職後の生活(ライフキャリア)について、問題意識をこれからもつことが考えられるという点です。

4点目は殆どの学生が2年前までは高校生だったので、高校時代の進路指導の内容について記憶していると考えられるためです。

そして、5点目はH私大2年生のキャリア教育科目が、就職を主としたワークキャリアだけに焦点を当てるのではなく、本書と同様キャリアはワークキャリアだけでなくライフキャリアも含めた人生そのものであるという考えに沿った講義を展開している点です。そして、ここ1〜2年においては様々なアプローチをし、講義の改善を図られている点です。

5点目に関連することを1点紹介します。

法政大学大学院の児美川孝一郎教授の著書『キャリア教育のウソ』(2013)では、キャリア教育の目的を次のように説明しています。社会的な存在である人は、人生の履歴において、さまざまな「役割」を引き受けながら生きていく。それは、役割を引き受けるという仕方で社会に参加し、貢献していくことである。