【前回の記事を読む】子どもと若者の将来のキャリアは、人生全体に及ぶ。そのため、きわめて包括的なキャリア教育のアプローチが必要だが…

第一章 夢ややりたいこと(大学生編)

大学生の「夢ややりたいこと」に関する調査結果 

H私大2年生の半数以上の学生は夢ややりたいことがない

1点目の質問、「夢ややりたいことがありますか?」について、「夢ややりたいことがある」もしくは「漠然としているがある」と回答したH私大2年生は199名(47・8%)でした。逆に半数以上の217名の学生は「夢ややりたいこと」が「ない」、もしくは「どちらかというとない」ことが明らかになりました(表1)。

47・8%が多いのか? 少ないのか? 平均的なのか? 興味深いところです。そこで類似する他のデータと比較してみました。

参考になるだろう調査として、2024年に実施された日本財団の 18歳意識調査「第62回―国や社会に対する意識(6か国調査)―」報告書で、「将来の夢をもっているか」という質問に対して60・1%の人が「将来の夢をもっている」と回答しています。この調査の対象者は17歳〜19歳の男女それぞれ500名で、合計すると1000名から回答を得ています。

両調査の質問内容が一字一句同じではないですし、調査時の年齢も微妙に違っていますので単純な比較はできませんが、「夢ややりたいこと」に関して約10%の差異がありました。差異の要因については判明するまでに至っていませんが、日本財団の調査結果から興味深い報告がされています。

日本財団の調査は6か国の若者を対象に行われていますが、日本以外の国の若者は「将来の夢をもっているか」の質問に対して、米国・英国・中国・インドは80%以上、そして韓国は73・5%がもっていると答えています。

この結果に関してあくまでも私見ですが、日本と世界の国々との差については、教育・社会・歴史・文化・生活環境・経験等、様々なことによる影響が結果の数値に表れていると考えられます。

これらと同様に、H私大2年生と日本財団の日本人の若者の調査対象者の約10%の結果の差異についても、これまでの様々な経験や環境などが起因しているのかもしれません。

間違いなく深掘りし検証したいテーマですが、本書の目的からは外れますので、次の機会に譲りたいと思います。

 H私大2年生の学生が抱いている夢ややりたいこと

質問1の学生のアンケート結果に戻ります。

「夢ややりたいこと」について、「ある」と回答した学生は66名でした。記述されていたコメントから傾向が窺えるものを一部紹介します。