腹を据えて話を聞こうと居住まいを正す。おじいさんが口を開きかけた時、裏木戸が開いて見知った顔が覗いた。ジャイアンツの少年とツインテールの少女だった。

「入っていい?」

少年が尋ねる。少女は背中に隠れて、片方の目だけでこちらを見ている。

「さっきの子たちだね、いいよ、おいで」

おじいさんが手招きすると、二人は密着したままで一列になって敷地に入ってきた。

「どうかしたかい? こちらのお嬢さんが心配になったのかな?」

子供たちを濡れ縁に座るよう勧めながら言う。あんたも、と言われてわたしも子供たちに続いて年季が入って若干ささくれた縁側に腰をかけた。

「おじさん、ごめんよ。さっきホームランを打ったのは僕なんだ」

さすがリーダーだけのことはある。他人のせいにして逃げたと早合点した軽率さを猛省しながら、わたしは少年の声に耳を傾けた。

「なにか壊れたんなら、僕のせいです。弁償します……お金は――お年玉が貯金箱にまだ少し残ってるから」

親がいるだろ親が、と言いかけて声を飲み込んだ。女の子の目に涙が浮かんでいたからだ。

「なんだ、そうだったのか。あんたもどうしてそれを言わん」

詰問された気がして、わたしは肩をすくめた。昔から弁解するのは苦手だ。思っていることを相手に正しく伝えることが不得手で、弁解すればするほど余計な言葉が口をついて出てしまうから、いつしか黙り込む癖がついてしまった。

次回更新は5月29日(金)、11時の予定です。

 

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