(もったいない世代の我々はこうしたことには敏感である。こんなこともあった。ひとりで二階のティールームにいたおばあちゃんが「私はテレビなど見ていません、私一人なのでもったいない、消して下さい」。

ある時私とテーブルを一つにしているエクボばあちゃんが「こんな明るいのにどうして電気をつけるんでしょうね、もったいない」。──確かに晴れた日の日中のダイニングは明るいがこれには節約ばあちゃんの私もびっくりしたことである。)

その時、ホーム長は「そうですね、家ではやっていることですから」と返答した。ホームでの節電量は月々の電気料金に即反映するはずだ。

こうした対策をとった前と後の差額は明らかだと思う。個人の平均的な家庭でも月三千円から五千円の差額が報道されていた。入居者五十人近いホームではその比ではないはずである。

私がホーム長だったら、このホームの節電による電気料金の差額を本社に伝え、全ホームに同じ節電対策を実施してもらう。

そしてその分はスタッフの給料に還元するのだ。そうすればスタッフも自分の持ち場のムダを省くことに目もいくだろう。

しかしその節電対策もあまり徹底して共有されていない。これも「もったいない世代」と物が豊かになった中で生きてきた世代のギャップなのだろうか。

ダイニングはホームの玄関近くに面しているといっていい。見学者があったとしても見学者は日時を予約してから訪問してくる。その時刻を見計らってダイニングの明かりをつければいい。

万一見学者が予定した時刻より早く来たとしてもその時にスイッチをONにすれば決して不都合はない。

それを見た見学者はそれを見て入居を拒否することなどありえない。むしろホームに対する信頼度を高めると思うのだが、どうだろう。

育休の勧めやビジネスケアラーが問題になっている。その中である企業の対策が報道された。

休みを申請した人の仕事は残った人たちに多少の負担となる。それで負担する人たちに月三万円の手当が会社から出るというのだ。

その結果、休みを申請する側も周囲に負い目を感じることが軽減し、仕事を分担する側にも不満が生じないというのである。

それに類似した対策をとることはホームでも可能なのではないだろうか。

 

👉『終の棲Ⅵ』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】触り方が変わってからは、指1本で支配された。何度も奉仕され、「もういい」と言っても、彼は止まらなくて…

【注目記事】心はすれ違っているのに、夫婦の営みを求める夫…夜は断ってはいけない気がして耐えた。苦痛で、一番辛かった。