【前回の記事を読む】老人ホームの新人スタッフがとった驚きの行動――利用者さんが被っている帽子を取ったあとに…

第二章 よりよい老人ホームにする手掛かり

老人ホームの働き方改革 一人の入居者からの要望、提案

入居当初、私は夜勤はその当直にあたる当人のみの負担と考えていた。しかし夜勤するスタッフには家族、子どものいる人もいるだろう。独身の場合でも恋人、友人がいて夜勤の影響はその周囲にも及ぶ。

不規則な生活は主に神経系に影響し、そのストレスは全身に及ぶだろう。職業上、夜勤を外せない職場としてどう対策を打っているのか私としては気になるところだ。その手当は妥当な額なのかということも考えてしまう。

例えば総合病院などの医療従事者との比較も頭をよぎる。

介護職者の離職、また介護職を目指す人の減少なども大きな問題になっている。国は介護職員への補助金、介護保険からの増額などを打ち出しているようだがそれがどこまで現場に届いているのか、もちろん私にはわからないが気になるところではある。

もちろんこれは一ホームで解決できることではないが本社がこの現場の状況をどこまで把握しているかは気になるところである。

大企業の多数の従業員が働いている事業所では託児所を設けているところもあるようだ。一方、老人ホーム程度の規模では託児所は無理。

しかしその分、育児をしているスタッフには子ども一人当たり手当を出すことは可能ではないか。これは離職率を下げると同時にスタッフのモチベーション、ひいては少子化対策にも寄与すると思う。

私は日々介護に奔走しているスタッフがこの仕事を定年まで続けたとして、さらに家族自身の介護が必要となった時、私のいるホームに入居できるのか、それを考えるとさみしい思いと同時に介護への負い目を強くしてしまう。

せめて優待制度をつくってほしいと思う。もちろんこの優待を受けるには多くの条件がいる。しかしその制度があればそれらの条件を目標にして働きがいをもてるのではないだろうか。

スタッフといっても一般に、一括りにはできないところが難しい。

経験はある程度働いてきた年数で示せるがその間に何をどう学んできたかは各個人によるので評価の難しいところだ。

しかし「介護マニュアル」以上の教育、技術、指導力はその評価と共に給料アップにつなげることはできないだろうか。一入居者の私にとってはもどかしく、荷が重すぎる問題であることを告白せざるを得ない。

電気の消費量が飽和状態に近いという状況の中で国を挙げて適切な節電を呼びかけたことがあった。

その時には各報道機関もニュース番組の時に、節電のためスタジオの明かりを少し落としますというテロップを流したことがあった。これを機に私はホーム長に提言した。

使用していない時間帯のダイニングやファミリールームの消灯を提案したのだ。