第2章 調達機能・組織の変遷

事例3 調達の組織・機能の移り変わり

「調達」の全社組織の中での位置づけは、各業種・業態・規模等によってまちまちですが、傾向としては、本社コーポレートの強い会社は、社長直轄のコーポレート部門※1に集約し、各部門の強い会社では、事業部制・カンパニー制※2を導入し、自主性・独立性を重んじながら直接材(サプライチェーン部門)、間接材(各購入部門)に分割して設置されています。

但し私の経験では、調達組織の位置づけは、トップマネジメントの意思入れにより、大きく影響を受けるものです。(図表2-3参照)

例えば、会社同士の統合直後に、全社員にコスト意識を醸成するためとしてコーポレート部門に調達組織を設けたり、グローバル調達拡大に伴い、グローバル調達の内部統制の強化および不正調達の防止を図るためにコンプライアンス部門に調達組織を設けることもあります。

また、直接材については、SCM※3の観点から重要原材料の安定供給・品質確保、製造委託先との戦略的な関係構築、グローバル物流体制の確立そしてグローバルで強固なサプライチェーンの構築を実現するために、調達担当者の更なる高度化・専門性が求められています。

昨今では、間接材の調達拡大により、今まで各購入部門でバラバラに調達されていた間接材の見える化、集中交渉、ボリュームディスカウント等の手法が注目されています。

いずれにしても調達組織の位置づけは、トップマネジメントの意思により変化・進化するものであり、常日頃から調達組織を通じてこれから何を実現したいかを深く推測し、具体的な手法を準備し、経営と密にコンタクトしながら意思を確認することが肝要です。