【前回の記事を読む】3~5年の中長期経営計画で「調達コスト」を削減する——実務担当者の負担も減らせる方法は…

第2章 調達機能・組織の変遷

過去50年間の企業における調達機能および組織の変遷について振り返ります。そして、過去に議論された論点と課題について「分散型」、「内部統制・マネジメント型」、「集中型」について事例を用いて紹介します。

1 過去の振り返り

まずは、調達初期(1970~1990年)においては、メーカーでの原価に直接算入される直接材(原料、包装材料、完成品等)が重視され、生産部門内に専門性の高い人材が集められ、組織化されました。(図表2-1参照)

当時は、特に原価率の高い重厚長大産業(自動車、鉄鋼、造船、化学等)の調達部門は花形部署であり、存在感がありました。

また、システム面でも生産・購買連携システムが構築され、在庫管理・発注管理・買掛管理等の最適化が推進されました。

そして調達拡大期(1990~2010年)においては、直接材のみならず間接材(間接資材、アウトソーシングサービス、設備等)においても各部門の調達は飛躍的に拡大し、集中調達、ボリューム交渉、サプライヤーとの協働調達等が注目されます。

サービス業においてもITハードウェア・ソフトウェア、人材派遣、業務委託等の費用が拡大し、間接材調達においても高度な専門性が求められています。

システム面では、間接材費用の見える化が求められ、スペンドマネジメントとして支出分析・抑制に利用されています。

更に調達高度期(2010~2025年)に至っては、直接材・間接材と幅広く、集中して管理・調達するマネジメント形態が現れ、システム面でも国内のみならず、グローバルに統一した購買システムを導入し、会計・経理システムとの連携も図り、効率化・生産性の向上が求められてきました。

特にグループ会社での統一した購買システム導入による調達・購買共通ルール化、サプライヤー情報の共有化、データベース化そして購買履歴の透明化による内部統制の強化は、会社としての健全性や透明性を証明する上で、重要な要素となっています。

グローバル化の推進においてもグローバルレベルでの調達カテゴリーマネジメントプリファード調達、更にサプライヤーとの協働によるサステナブル調達と大きく拡張しています。