【前回記事を読む】おじさんに年齢を聞くと、「いくつに見えます?」…気持ち悪いなーと思いながら答えると、顔を近づけてきて…

瞳に一目ぼれ 

またまた早川はビールが喉の変なところに入ってしまった。我慢したが少し吹いてしまい同時に鼻からも出てしまった。

「すみません。驚いてしまって」

おしぼりで机を拭きながら言った。おかみさんも机を拭きに急ぎ参加した。

トムとジュウェルはこんなことができる人間もいるんだなぁと共に感心していた。

早川は気を取り直し英介に言った。

「風間さんは仕事に続いてプライベートにおいても考え過ぎなんじゃありませんか。もう少し肩の荷を下ろして流れに身を任せてしまうというのはどうですか。もちろん命綱や担保も取っておいてのことですが」

早川は英介に話を鋭く突いてきた。

「二十五歳と若いし年の差もある。一般的には怪しく思うことも多々あると思いますが女性としては結婚を考え出す年齢としてはおかしくない年齢です。

それといやらしい話ですが風間さんはイケメンだし、一流企業に勤められていますし女性としても申し分ない結婚相手だと思います。自信を持たれてもよろしいかと思いますがね」

「おっさん鼻からビール出しながらも良いこというじゃねか。面白くなってきたな」

トムはじっと見つめながら、真剣な眼差しでリサーチしていた。

しかし、横に座っているジュウェルが今日獲れたての魚で仕立てられた新鮮なお造りを全て食べてしまったのを見て、集中力が一気に途切れ、それどころではなくなってしまった。

「そうですね。そうかもしれませんね。早川さんに言われたら何だか安心しました。とりあえず流れに身を任せいつでもブレーキをかけれるようにしておきます」

「共に良い結果になることを祈りもう一度乾杯しましょう」

早川がビールジョッキを手に取ったの見て英介もビールジョッキを手に取った。

「しかし二十五歳か、ちょうどうちの娘と同じ年です。うちの娘もそろそろなのかなぁ。風間さんみたいな方と出会えるといいのですが」

早川は遠くを見ながら生ビールを一口飲みしみじみ言った。

そういえば瞳ちゃんの姓は早川。まさか……いや、たまたまだろうと心の中で英介は思った。

「ちげーよ。そのまさかだよ。ふふふ」

あの後、再度お造りを注文し食べ終わったトムはニコニコして言った。

その横でジュウェルは仕上げのお茶漬けをご機嫌笑顔で食べていた。

その後、中年のおっさん二人は店を後にし、共に晴れ晴れすっきりとした顔で別れたのであった。めでたしめでたし……。