瞳にプロポーズ~年の差婚
雲一つない晴天の中、英介は新車の白いアルファロメオを運転し待ち合わせの駅へと向かった。
駅に近づくと瞳が満面の笑顔で手を振って車を運転する英介を出迎えた。
瞳は髪を上げ、上着はトレンチコートと中にピンクのぴったりしたニット。そして下は細めのデニムパンツに白いスニーカーという春にぴったりのコーディネートだった。
「おはようございます。本日はドライブにお誘いいただきありがとうございます」
瞳は半分降ろしている助手席の窓を覗き込み嬉しそうに挨拶した。
「おはようございます。どうぞ乗ってください」
英介はなんて可愛い人なんだろうと久しぶりに二十代に戻ったように胸がワクワクした。
「うわーすごい新車の匂いがする。納車して間もない車内のこの匂い、私好きなんですよねー」
「今頃なんですが、急にお誘いしましたが、予定無理なさったんじゃないですか?」
英介は瞳が無理してないか正直少し気になっていた。
「大丈夫です。正直言うと親友とランチする予定でした。ですが今日のことを説明したら大変納得してくれて延期をしてくれました。……次回私がご馳走する条件で」
瞳は下を向き恥ずかしそうに話をした。
「えっ! そうだったんですか。すみませんでした。でも……大変嬉しいです。ありがとうございます。では今日、ご友人にご馳走される二倍、いや三倍私が早川さんにご馳走させていただきますね」
走行する窓から入ってくる湘南の潮風を顔に浴びながら英介は瞳との会話を楽しんだ。
ようやく二人は英介お勧めのサンドウィッチ専門店に到着した。
そのお店は店内と店外両方で飲食ができた。かなり天気も良く海岸から海を眺めるには最高だった。
ということもあり二人は店外で飲食することとした。しかしながら、さすが人気店ともあり座る席がなかなか見つからなかった。そうこうしている間に二人を見てどこからか声が掛かった。
「おーーーい。ここもうすぐ空くぞ!」
おしゃれな赤い麦わら帽子をかぶり鼻の下に白髭を生やした高齢男性が叫んでいた。最初は自分たちではないと思って知らないふりをしていたが、
段々声のトーンが大きくなってきたのと座っていたその男性が立ち上がり間違いなく二人に向かって大きく手を振り出したこともあり、恥ずかしくなってきた二人は慌ててその男性の元へと急いだ。
英介は周りの人にじろじろ見られているのもあり、汗びっしょりになりながらその男性に会釈した。
「あのーありがとうございます。非常に助かりました」
「おー。聞こえてねーのかなぁと思っちゃったよ。あと姉ちゃんをずっと立たせてたら駄目だど! 可哀そうだっぺ。なっ!」
男性はニコニコ瞳の方を見た。
瞳もそれに答えるように会釈した。
その男性は海一面を眺められる四人席に誰かと座っているようだった。
「おー、ちょっと待ってろよ。母ちゃんのバッグよけるからよ」
男性の正面に置いてあるカバンを移動して二人に座るよう言った。
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