がん抑制遺伝子APCの遺伝子異常は特に、家族性大腸腺腫症(FAP;Familial adenomatous polyposis)の原因遺伝子にもなっています。

胃がんの原因であるヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)菌が発見されたのは1982年のことです。国内では保険診療で2次除菌までピロリ菌の除菌治療ができるようになっています。衛生環境の改善も相まって、ピロリ陽性者数は減少傾向にあり、胃がんも減少してきています。

一方、大腸がんの原因となる細菌はまだ特定されていないのが現状です。

腸内細菌と大腸がんの発症が関連しているといわれ始めたのも比較的最近で、100兆個あるといわれる腸内細菌の中で、大腸がんの原因となる特定の腸内細菌を見つけ出すことは困難を極めています。

しかし、2010年代頃より大腸がんの周囲に、ある細菌が集まっていることが知られるようになりました。それが、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)と呼ばれる、主に口の中に常在する歯周病の原因菌です。このフソバクテリウム・ヌクレアタムの菌量が多い大腸がん患者の予後が悪いことも報告されています。

口腔内から大腸がんの部位へこの細菌がどのように移行して、発がんやがん進行にどれだけ関わっているのか、関心が尽きません。大腸がんの予防法の解明につながる可能性がある研究であり、今後も引き続き注目したいところです。

ただ、発がんの経路は明らかになってきていて、隆起型の腺腫性大腸ポリープからがん化するAdenoma-carcinoma sequence経路が最も主要です。他にも、鋸歯状(きょしじょう)腺腫/ポリープ(SSA/P)から発がんするserrated pathway経路や、大腸粘膜から直接発がんする平坦陥凹(へいたんかんおう)型のde novo経路があることも分かってきました。

さらに、遺伝子のDNA複製の際に生じたミスを修復できないことで起こるマイクロサテライト不安定性(MSI:Microsatellite instability)を示す大腸がんも、明らかになっています。近年はこの多段階発がんに関わるさまざまな遺伝子に異常がないかを調べることができるようになり、治療にも反映されるようになっています。

 

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